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ベース部加工技術

橋梁・高架橋に設置された照明ポールは、交通振動の影響を受け、リブ上端部に亀裂が発生する場合があります。この亀裂は交通振動による繰り返し力が応力集中度の高いリブ上端部に作用して引き起こされる疲労が原因と考えられており、応力集中度を緩和した構造にすることが有効な対策手段といえます。当社では、この応力集中度をリブ構造に比べ大幅に緩和し、耐疲労性能を大幅に向上させた基部(ベース)を多種準備しておりますので、設置場所の条件等によりお選び下さい。

U字リブベース

優れた耐振強度

U字リブベース

リブ上端部をU字形状にして応力集中を緩和した構造です。特殊な成形分品を要さないため多様な寸法への小ロット対応が可能です。

YPタフベース

リブを無くし、歩行空間を確保

YPタフベース

リブを廃し、主柱下端部を拡張し応力集中を緩和すると共に二重管にすることで剛性を向上させた構造です。ベース部に特殊な成形を要しないため、多種のアンカーピッチに対応が可能です。

ストロングベース

応力集中緩和型

ストロングベース

鍛造によりリブを廃した凸状を実現し主柱との接合部形状を直線的にすることで応力集中を緩和しました。柱と基部は完全溶け込み溶接(突き合わせ溶接)にて接合するため、溶接部内部欠陥の検査が可能な信頼性の高い基部です。

ベース部の疲労強度の比較

疲労に対する性能評価については、一般社団法人「日本鋼構造協会(Japan Society of Steel Construction)」のS-N曲線と照らし合わせ、 実物による疲労強度等級試験(A等級が最高)を実施したところ、当社の応力集中緩和型ベースプレートは、溶接構造では最高ランクの C等級を確保することが確認されました。

● U字リブベース(疲労強度等級B~C)

リブの頂部がU字にカーブしており、応力をスムーズに分散させることで、疲労強度を高めています。

● YPタフベース(疲労強度等級C)

支柱からベースプレートへ滑らかに接続することで、応力が分散し、疲労強度を高めています。

● ストロングベース(疲労強度等級C)

応力はスムーズにベースプレートに分散することで、疲労強度を高めています。

● 三角リブベース(疲労強度等級G)

応力は補強リブ溶接頂部付近に集中し、局所的な鋼材の疲労が懸念されます。

疲労強度等級試験

疲労強度等級は、実物と同じ材質及び構造の試験体に単純な繰り返し荷重を加える疲労試験を実施し得られる破壊に対する応力と繰り返し回数の関係を、S-N 曲線に照らし合せ決定します。高い応力で、かつ、破壊までの繰り返し回数が多い程、等級は上がります。また、荷重を無限回繰り返して加えても破壊に至らなくなる応力の下限値(疲労限度または耐久限度)が存在し、疲労強度等級が高いほどその応力も高くなります。

疲労強度等級比較

疲労強度等級比較